<スーツケースメーカーについて>
現在、スーツケースは様々なメーカーから販売されています。サムソナイトなどの世界的有名メーカーから、中小メーカー、ショップブランド品、ノンブランド品まで様々です。
ただし、これらの製品は、どれも同じような工場で作られているのです。スーツケースのメーカーは多くがファブレスメーカー(自社で生産設備を持たないメーカー)です。
ほとんどの会社が、中国や東南アジアのスーツケース工場に生産を委託しています。有名メーカーのスーツケースもこのような工場で生産されていることが多くなっています。
有名メーカーが技術移転した工場で生産されるわけですから、理論上は、名もないスーツケースメーカーでも、まともな品質のスーツケースを販売できるようになっています。
ただし、同じような工場で作れていても、安いスーツケースは、製造コスト削減の為に金属も樹脂も薄かったり、安いパーツを使ったりで、性能には雲泥の違いがあるので注意が必要です。

有名メーカー製を選んでおけば、ハズレが少ないのでベストですが、お値段が非常に高価なので、多くの方がネットショップで売られているような無名メーカーの格安品に飛びついてしまいます。
無名メーカーの物でも上述の通りの理由で優れた製品はあります。しかし、安売りをするために部品代をケチって作ったようなものは、強度的に劣ります。
聞いたこともないメーカーだけど、パンフレットがきれいだから買ったら、とんでもなく壊れやすい製品商品、ホームページをきれいに作って、すばらしいうたい文句が並んでいても同様です。実際に使ってみなければスーツケースの真価は分かりません。
したがって、予算の関係で安めの無名メーカー製を購入するときは、見極めが大事になります。
有名メーカーと同じような工場で作られているわけですから、無名メーカー製でも、有名メーカー製と同等の性能のものもあります。

 

<スーツケースの値段>
定価が1万円以下
1万円以下の安物は避けたいのが正直なところです。近年はホームセンターやネットショップなどで、1万円以下の格安スーツケースがあふれていますが、総じてまともな性能の物はありません。中には値段の割りに丈夫な製品も確かにありますが、確率的に脆い製品に当たる可能性が高いです。逆に使い捨てにするくらいの覚悟でなければ、購入は避けるべきです。

定価が1万円~
1万円以下の激安品と比べればまともな製品が多いのですが、激安品同等の品質の物を値段だけ高くして売っているような商品もあるので安心はできません。逆にこの価格帯で4万円を超えるようなスーツケースに匹敵するような性能の物もあります。一番見極めが難しい価格帯かもしれません

定価が2万円~
2万円を超えてくるとさすがに一定水準以上の性能のスーツケースが多くなってきます。性能は総じて高くなってきますが、相変わらず値段だけ高いような3流品もあるので注意が必要です。

定価が3万円~
3万円台ともなれば水準以上の性能のスーツケースが大半を占めます。 作りが豪華なだけであまり丈夫ではないスーツケースも稀にまぎれているので注意が必要です。

 

定価が5万円以上
これ以上の高額スーツケースですと、性能はさすがです。スーツケースの値段の天井は、はるか上ですが、逆に、これ以上値段があがっても、それほど性能は変わりません。
作りが豪華なだけであまり丈夫ではないスーツケースも稀にまぎれているので注意が必要です。

<軽さ>
これも非常に重要です。通常、国際線に追加料金無しで持ち込める重量は20キロ前後です。スーツケース本体が重くなればなるほど、中に詰められる荷物は少なくなってしまいます。規定の重量をオーバーすると、渡航先とオーバーした重量によっては追加料金数万円を取られることもあります。航空機に無料で載せられる荷物の重量には上限があるということです。航空会社によって異なりますが、通常は20キロ前後が追加料金無しで預けられる重量の上限です。
スーツケースは、標準的な大きさで、軽い物で4キロ重いもので8キロ程度ありますので、実際は中に詰められる荷物は20キロ以下となるわけです。うっかり8キロ程度あるようなぶ厚いABS樹脂のスーツケースなど買ってしまったら、12キロしか荷物を詰められません。万が一、20キロを超えると、オーバーウェイトで驚くほど高い追加料金を請求されるわけです。
JALの例では、渡航先の国によって、個数制(北米など)と重量制(ヨーロッパなど)があり、個数制の場合はある程度のオーバーでも一定の追加料金で済みますが、重量制の場合は1キロオーバーごとにかなりの金額を取られます。ヨーロッパ方面など重量制の国への持込で、1キロオーバーすると数千円取られますので、10キロオーバーすれば数万円の追加料金がかかります。
多少値段が高くても軽いスーツケースを選ぶメリットは十分です。

 

ABS・ポリカーボネートスーツケース
ABS・ポリカーボネートスーツケース

<スーツケースのボディーの素材>
スーツケースのボディーには実に多くの素材が使われています。ハードタイプのスーツケースは、プラスチックの樹脂でボディーが形成されています。よく使われているのがABSとポリカーボネートです。ABSもポリカーボネートも耐衝撃性に優れた樹脂です。従来はABSが主流でしたが、最近はABSよりも更に衝撃に強いポリカーボネートが増えてきています。ABSとポリカーボネートを組み合わせて形成されたスーツケースもあります
一般的にポリカーボネートの方が優れていて高価ですので、高価なスーツケースに使われていることが多いようです。

<丈夫な素材は重量にも重要>
平均的なABS樹脂よりも、ポリカーボネートの方が、密度が若干高いため、わずかに重いのですが、強度がその差以上に高いため、同一重量ではポリカーボネートの方が頑丈です。したがって、同一重量では、より薄く軽いスーツケースを作れるのです。
ポリカーボネートは非常に強度が高く薄くても丈夫なため、100パーセントポリカーボネートのスーツケースは、薄いペコペコしたスーツケースが多いのですが、素材自体が頑丈なので問題ないと思われます。薄い分重量が軽く軽量性に優れたスーツケースになります。
このペコペコ感が嫌いな方は、分厚く固いABS樹脂のスーツケースを選びましょう。ただし、重量は重いものが多いですが。またABS樹脂にポリカフィルムを張った商品もあります。
ペコペコしていても丈夫なのは、ある程度高価なポリカーボネート100パーセントのスーツケースです。最近はポリカーボネート・ABS樹脂・ポリカーボネートの3層やハイブリットポリカーボネート3層などもあります。

 

<フレームの素材>

フレームには、スチール、アルミ合金、マグネシウム合金、チタン合金などの素材が使われております。安いスーツケースは、安価で丈夫なスチールが使われています。軽量スーツケースには、軽いアルミのフレームが使われているものが多いようです。マグネシウムは、非常に軽い金属ですが、高価なため高級スーツケースに使われることが多いようです。
チタン合金は高価な為ごく一部のフレームに使われています。

最近では(PP) ポリプロピレンのフレームを使用した商品も出てきてます。アルミ合金より軽量です。

重さ スチール>アルミ>チタン>マグネシウム
強度 スチール>アルミ>マグネシウム>チタン
上記のように重ければ強度も高いわけですが、軽い素材ならば同じ重さでも太くできるため、実際、重さと強度の比率にそれほど違いは出ないものと思われます。
また、当然、それぞれ純金属ではなく合金であるため、非常に強度の高いアルミなども存在し、どのスーツケースにどのような比率の合金が使われているか分からない以上、素材を気にする必要はないと思われます。ただ、高いスーツケースに優れた素材が使われている保障はありませんが、安いスーツケースに優れた素材が使われていることはありません。
素材で選べない以上、見た目の太さをチェックするしかありません。ボディーを構成する樹脂は、なかなか違いが分かりにくいのですが、フレームは目で見て明らかに太さの違いが分かります。使われている金属の種類にもよりますが、やはり太ければ太いほど強度は上がります。見比べて、明らかにフレームが細いものは、避けた方がよろしいと思われます。フレームの形状にもよるため、なかなか見極めが難しいのですが、やはりパッと見の印象で細くて弱そうなものは、確かに壊れやすい傾向にあります。

<エンボス加工のスーツケース>

エンボス加工は一目で樹脂でできていることがうかがえる、ツヤの無い樹脂の面に無数の細かい凹凸がある表面加工です。触るとザラザラした手触りで、表面無数の細かいデコボコ状になっています。表面の細かいデコボコは、スーツケースによって異なり、エンボスや菱形など様々です。

<鏡面加工のスーツケース>
鏡面加工は、ツヤのある、色付きの鏡のような、ツルツルした表面加工です。触ると鏡のようなツルツルした手触りで、表面に細かい凹凸がありません。鏡のように蛍光灯が反射して光ります。
触るとツルツルするものの、光を反射してキラキラしないものは、鏡面加工ではなく、表面の凹凸の少ないエンボス加工です。

<キャスター>

スーツケースの性能でキャスターほど差の出るものはありません。
スーツケースの修理や買いなおしが必要となるケースは、空港で乱暴に扱われて破損するケースと、使い込むことにより消耗して寿命が来るケースがあります。

破損は様々な箇所が破損しますが、やはり、キャスターや取っ手や鍵の機構など、出っ張っている箇所が破損するケースが圧倒的です。中でも破損確立ナンバーワンがキャスターです。正確には、キャスターそのものの破損と、キャスター周りのボディの亀裂が、非常に多いのです。

使い込むことによる消耗は、破損以上にキャスターに集中しており、ほとんどがキャスターです。破損は、キャスターが多いだけで、他の箇所が壊れないわけではありません。しかし、消耗して使えなくなるのは、圧倒的多数がキャスターです。

キャスターの性能によって、破損確立には大きな違いがあります。丈夫なキャスターと、もろいキャスターの違いは顕著です。安物のスーツケースのキャスターは驚くほど良く壊れます。一流メーカーのケースはキャスターがしっかりしており、破損することはほとんどありません。

いくら頑丈なキャスターでも、走行距離を重ねれば、徐々に擦り減って行きます。この消耗の仕方に、驚くべき差が出るのです。安物のスーツケースのキャスターは面白いほどに擦り減って行きます。有名メーカー製の高いスーツケースのキャスターは安物よりは格段に消耗しにくいですが、破損に対する強度と違い、高いスーツケース同士にも大きな差が出ます。有名メーカー製で破損にはめっぽう強いキャスターが、驚くべきほどに擦り減りやすいケースなどが存在するのです。
キャスターはスーツケースメーカーではなく、スーツケースのパーツメーカーが製造しているケースがほとんどです。従いまして、有名スーツケースメーカA社と有名スーツケースメーカーB社が、同じスーツケースパーツメーカーC社のキャスターを採用しているようなケースもあるのです。スーツケースパーツメーカーは実に多種のキャスターを製造しているため、どのキャスターが一番優れているかを把握している人はおそらく存在しないでしょう。
高いスーツケースは、高性能なキャスターを採用している可能性が高いため、やはりキャスターもスーツケースの値段によりけりです。
ただ、高くて頑丈なキャスターでも、消耗に差があるので注意が必要です。
例えば、走行中にグリスがキャスターに供給される、日乃本錠前のグリスパックキャスターなどは、非常に消耗が少なく優秀です。
スーツケースのキャスターには、従来からの小さなキャスターに加えて、最近は大きなのキャスターが増えてきました。一般的に大きいのキャスターの方が優れているとされていますが、それほど顕著な違いがあるようには思えません。

大きいのキャスターの長所としては以下ような点がよく挙げられます。

段差や石畳に強い・転がりやすい・消耗しにくい 確かに大きいキャスターの方が段差や石畳には強いです。車輪が車軸を1回転するごとに進む距離が大きいため、同じ距離を進むと、大きいキャスターは、より少ない回転数で辿り着きます。従って、摩擦や抵抗が少ないため、スムーズに転がり消耗も少ないわけです。

 

<スーツケースの鍵はどのようなものを選ぶ>
スーツケースには様々な種類の鍵が付いています。ジッパータイプのスーツケースには南京錠、フレームタイプのスーツケースにはシリンダーキー、カードキー、マグネットキー、ダイヤルロックなどがついています。基本的には、ロックさえできれば鍵の種類は気にする必要はありません。最近はTSAロックが大半を占めます。

<TSAロックとは?>
TSAロックはアメリカ運輸保安局「TSA(Transportation Security Administration)」によって認可・容認されたロックで、セキュリティチェックが最も厳しいアメリカであっても、カギをかけたまま航空会社に預けることができるロックです。このTSAロック機構のカギを採用した商品を製造・販売するためには、TSAによる認可・容認が必要です。アメリカ同時多発テロ後、爆破物および危険物検査のためにアメリカ国内すべての空港で、アメリカへの出入国とアメリカ国内のフライトに際して、厳重なセキュリティチェックが行われています。特に空港で預けてしまう荷物に関しては、持ち主が立ち会えない場所でTSAの職員によってバッグやスーツケースを開けての念入りな検査が密かに行われているのです。そのため、この時にカギがかかっている荷物はすべてロックを切断、もしくは破壊して検査されます。こうした切断・破壊行為が原因による内容物の破壊や紛失に関しては、TSAは一切責任を負わなくてもよいという国の取り決めになっているようです。ですから、アメリカ国内を出発する飛行機をご利用の際、航空会社へ荷物を預けるタイミングで「カギは絶対にかけないでください!」と言われるのです。これは日本人渡航者の多いハワイ・グアムなどでも同様です。アメリカの厳重なセキュリティチェック「カギをかけないで預けるのちょっと不安・・・」「それは絶対にいや!」という方のために登場したのが快適で安心なアメリカ旅行に欠かせないスグレもの、TSAから特別に認可を受けたTSAロック搭載スーツケースや、TSAロック付きスーツケースベルトです。 このロックを使用しているカバンは、アメリカの各空港に配属されたTSA職員が特殊なツールを使用して底部の鍵穴からロックを開錠して検査をします。そして検査後は施錠して戻してくれるのです。すなわちTSAから認可されたこのロックを使用しているカバンは、カギを掛けたまま航空会社に預けることができるのです! つまり、アメリカに旅行する方(するかもしれない方)はTSAロック搭載のスーツケースを購入されることをお奨めします。もし、既に持っているスーツケースをそのまま使いたい、ということであれば、TSAロック搭載スーツケースベルトなどをお買い求めいただくことをお奨めします。アメリカ以外の国へ行かれる方や、アメリカに行く予定のない方は、現在のところTSAロックにこだわる必要はありません。アメリカ旅行とはアメリカ本土だけではありません。下記のような地域にご旅行をされる方も同じようにTSAロックがあると便利です。また、乗り継ぎなどでアメリカの空港を利用される方も必要ですので、ご注意ください。
 ハワイ・グアム・アラスカ・サイパン・その他アメリカ領の全エリア